三月、葵が『蔵』でバイトし始めてからもうすぐ一年。利休の祖父である斎藤右近が三人の息子を呼び出す。──自分の目に自信がないものは、鑑定士を同行させよ。利休の父である左京の鑑定士とし […]
バレンタインデー。人気ミステリー作家『相笠くりす』の朗読会に招かれ、吉田山荘・真古館に赴く清貴と葵。そこにはくりすの友人や担当編集者、カメラマン、私立探偵が揃っていた。──あの日、 […]
新年、仕事始めは着物出勤の『蔵』。様々な和装が蔵を彩っていた。着物姿の葵と矢田地蔵尊を詣る清貴。後日一緒にカフェに行く約束を取り付ける。カフェにて美味しいフォンダンショコラを堪能し […]
大晦日に誠司が主催するゲーム大会が開かれるという。招待を受けた葵は清貴と秋人と共に家頭家を訪れる。行われるのは宝探しゲーム。清貴が作った暗号文を解き明かせば素敵なプレゼントが手に入 […]
クリスマス。上田の頼みでイケメンカフェの店員をすることになった清貴と利休。開店準備に追われる店内には、見知った女性の姿。清貴の元彼女、和泉が力なく座っていた。──清貴くんに暴いても […]
10月下旬。柳原重敏の八十歳の誕生日パーティーが開かれる。誠司の代わりに招待を受ける清貴は葵と秋人と共にパーティーに参加する。そこで行われる真贋判定ゲーム。本物か、偽物か、それをた […]
秋。家頭誠司の喜寿を祝う誕生日パーティーが開かれる。華やかな衣装に身を包み、パーティーを堪能する葵。招待をされる各界の著名人。その中には誠司に恨みを持つ者もいた。狙われた青磁の壺。 […]
秋。副住職から南禅寺に呼ばれている清貴。番組の取材で南禅寺に行きたい秋人。妖怪が出たことで知られる寺に二人連れだって向かう。──龍を頂戴いたしました。そう書かれていた手紙の相談を受 […]
7月中旬。祇園祭を間近に控えたある日、清貴のかつての恋人和泉が『蔵』に姿を見せる。和泉は自らが作った茶碗の鑑定を清貴に頼む。そこに清貴だけが分かる想いを乗せて。葵が埼玉に住んでいた […]
煌々と燃える焼却炉の炎。三本の掛け軸が勢いよく燃え上がり灰と火の粉を舞い上がらせる。7月初旬。父、武史に頼まれ梶原家の山荘を訪れる清貴と葵。武史の作家仲間、梶原直孝が三人の息子に残 […]